ICD埋込手術直前のこと

ICD埋込術は、カテーテル室で行われます。
普段の主治医は循環器医ですが、この手術及び入院の主治医は小児心臓血管外科医でした。
術前日に娘は様々な検査を受けました。
そして小児心臓血管外科医から、手術の説明を娘と両親の3人で受けました。

実際に埋め込まれるICDを手に
「入れても重さがわからなそう~」
と心境として受け入れ万全の様子。

鎖骨下にメスが入ること。
鎖骨下にICDのためのポケットを作ること。
ポケットは、皮下組織と筋肉の間か、筋肉と骨組織の間のどちらかに作ること。
ポケット近くにある静脈からリードを心臓に通すこと。
ここまでが心臓血管外科医が担当すること。
ここから先はいつもの循環器の主治医が行うこと。
左心房と左心室に先がスクリュー状態になっているリードを差し込むこと。
差し込んだところには接着剤のようなものも付くこと。
運動を続けたい娘のためにリードにたわみを持たせておくこと。
コンタクトスポーツ(ラグビーとかレスリングとかの類い)は禁止であること。
術後の傷口の痛みや感染症、リードが外れたり、何か問題が起きたりしないように、一週間は左腕を固定すること。

リスクとして、鎖骨下の静脈が屈折していたり細すぎたりしてリードが入らない場合は、胸の真ん中の骨を開いての開胸手術となり、右腹部にICDを入れる可能性があること。
リードを差し込んだ際に心筋に孔が開いてしまった場合、開胸手術となり、出血を止め、静脈に問題があったとき同様のICD埋め込みを行うこと。
術後、物理的に心室細動を誘発し、ICDが正しく作動することを確認すること。

といった、リアルな説明でした。

母「静脈に問題があったら手術を取り止めるという選択肢はないんですか?胸に傷。。。骨を切る。。。ちょっとそれは受け入れ難くて。。。」

医師「取り止めることはないですね。入れることが目的なので。でもまず問題は起きないと見ています。問題が起きる確率も大変低く、お嬢さんの体は成人に近いほど成長しているので。静脈に問題があることが多いのは、すごく小さいお子さんか高齢の方ですから。」

ただでさえ入れたくない思いの強い私が抵抗感を示す中、娘は淡々とやり取りを聞いていました。

医師「麻酔科医や手術室担当看護師、CCUの看護師なども後から説明に来ると思います。手術、宜しくお願いします。頑張ろうね!」

娘「はい!(^ー^)」

母「あなた、寝てるだけだけどね。頑張るの先生だけどね(笑)」

娘「あ!確かに!先生、頑張ってください!」

ということで、面談は大変和やかに終わりました。

QT延長症候群2型の娘のこと

13歳にて遺伝子検査により先天性QT延長症候群の診断がおりた娘の治療や生活について載せています。 致死性不整脈の1つ、突然死の原因となる【先天性QT延長症候群】。 厚生労働省の難病指定から外れましたが、完治することのない病気です。 5歳から始めたバトントワーリングというスポーツでは、選手として活動してきました。 治療により体調や日々の生活に大きな影響があります。 それでも毎日を元気に生きています。

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