「当たり前」ということ
学校行事の「学習発表会」が終わりました。
娘のスピーチは3分どころか5分以上掛かりましたが、この2年弱のことが走馬灯のように蘇りました。
遺伝子検査の結果、β遮断薬インデラルを飲みだしたものの、失神が頻発するようになり、一か月入院して体に合う薬を探したはずが、日常生活を送れなくなり。β遮断薬をアーチストに変えてカリウムも飲むようになり、以前のような生活に戻れたと思った矢先に1分以上のTdpによる心肺停止。そこから毎月のように倒れ、病院をいくつも変えて、ループレコーダーを植え込み、薬もβ遮断薬がナディックになってやっと落ち着いたと思ったらまた倒れ。メキシレチンを追加するもののβ遮断薬を服用することへの不安は拭えず、いよいよ交感神経切除術を受けカリウムだけで順調に推移していると思ったらまた失神。。。
学校行事の直前追い込みや行事そのもの、大会が終わった直後に倒れることの多い娘。それだけ行事や大会に全力で取り組んでいるからなのでしょう。
実際、一か月の入院中に取り組んだ百人一首は退院してすぐの大会で学年1位。進級すると学級委員としてクラス対抗の学校行事でクラスのまとめ役として奔走し、あまり学校に来ない子を友人たちと朝迎えに行く等して、クラス全員が主体的に参加できるようにアプローチをしていました。
ループレコーダーを入れた後のスポーツの都大会団体戦では2年連続1位。体力の限界を感じながらも、自分に与えられた役割にひたむきに向き合っていました。一度、定期テストでもまさかの総合学年一位を。塾に通う余裕がなく、集中力の続く日とそうではない日、ひらめく日とそうではない日を自分で見極めながら、学習に取り組んでいました。交感神経切除術からわずか4週間足らずの区内中学校対抗体育大会では、女子3年高跳びで2位。そして学習発表会のプログラムの一つ、クラス対抗の合唱コンクールではクラスが最優秀賞を頂く。
とても優秀な子どものようですが、優秀な訳ではないのです。ただ何事にも一生懸命に取り組んでいます。いつ命の限りがくるか分からないからこそ、今できること、今したいことにできる限り向き合っていると本人は笑いながら言います。
リンク先の動画は、先日行われた学習発表会のスピーチです。難しい病気と向き合っている人たちへの良い方向への何かのきっかけになれたら私も娘も幸せです。
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