雪が降って桜が咲く

我が家の近くの桜並木の枝先がほんのり薄ピンクになったなぁと眺めていたら、雪がちらついた今日。国公立の後期日程の結果も出揃い、高校を卒業された方々の進路が決まったところでしょうか。

娘は先週、無事に高校を卒業しました。

高校1年生になってすぐ。まだまだやりたいことがある、今は死ねない!と植え込んだICD。

高2はコロナに泣かされて、高3は大好きなバトンを封印して、情報科学系に進むべく一年近くの予備校通い。主に英語の長文読解、物理、数学に取り組んでおりました。

が・・・

出願数も10を超え、どこか一つくらい引っ掛かってくれ!の思いも虚しく、国公立後期も手応えはなく、「勉強だけじゃ苦しいもんね!」と、楽しい浪人生活にすべく、バトンクラブへの復帰を決めた矢先に事件が明るみになりました。

演劇部に所属していた娘は、舞台演技が好きすぎて、大学受験の真っ只中だというのにオーディション番組に応募して1次選考を突破。

そんな1月のとある日、予備校のお迎え車内にて。

「そんなに舞台演技が好きなら、芸術学部を受けてみたら?何の準備もしてないのに受かったら、それはあなたの中にその道があるってこと。出願料はほんの数万円。自分の人生、賭けに出るのも面白いんじゃない?」

という母の無責任な言葉により、娘の第一志望は芸術学部になりました。

そして挑んだ前期試験は残念な結果に。

情報科学系はどこも受からず、残すところ国公立後期試験のみ、という時期に、芸術学部の後期を受けるのはどう思うかと聞かれた母は「前期だけで良いんじゃない?」と応えましたが、何か娘の様子にあれあれ?まぁ、気のせいかな。。。

そして迎えた18日。

仕事中にLINEに届いたPDFは、芸術学部の後期日程にて桜が咲いた書類でした。

何と、自分の預貯金から出願して、こっそり受検していたのでした。

姉妹も知っていたのに、知らなかったのは父母だけ、という(笑)

芸術学部は、英語と国語の学科試験もあるので、予備校で英語をやっててよかったね!と思いつつ。。。

あれだけ赤本で対策をして、あれだけたくさんの情報科学系の学部を受けて、それでも受かるのは、何の準備もしていない芸術学部。これはもうそこに進めという神様の思し召しでしょう。

「うん。でもね、やっぱり、普通の大学に進学した方が良いのかなぁ?学費もすごく高いし、卒業後の進路だって就職とかそういう感じじゃないから、何でごはん食べるの?とか。。。」

ボヤく娘に

「第一志望だったでしょ?大学は専攻にもよるけれど、基本的には自分の一生を豊かにする教養を身に着ける場。資格的なものを身に着けるのもありだし、資質や感性を育むのもあり。情報系の仕事に就きたくなったらその時にまた勉強すれば宜しい。母なんて無資格未経験だったけれど、プログラマとしてごはん食べられるまでになったことあるんだし、その時、その時の本気度で、進む道が開けるんじゃない?それに学費は用意してあるから問題にならないよ。」

親の価値観を確認したかったんでしょうね。安心した表情で進路を決めた娘でした。


この出来事で、しみじみ思いました。

長姉は、これ!という学問を定め、多くの学校を一般受検し、たった一つから入学許可を頂きました。そしてそこから道が伸びて、他国籍の最愛の人と出会い、結婚に至り、未だに研究をしています。

次姉はここで~と決めて進んだものの、専攻とはかなり違う道にいます。

今回、娘は、自分で出願料を負担してでも受けたことで、花が咲いて道が開いたのかな、と。そういう「やる気」と「タイミング」が道を作っていくものなのかなぁと。

娘はちゃんと自分の道を拓いていける人になっているんだなぁと目頭が熱くなりました。

難病や障害がこの先、彼女の足枷になるかもしれないけれど、でも、逆に、そのことが人々の力になるかもしれません。

彼女の表現が楽しみです。

QT延長症候群2型の娘のこと

13歳にて遺伝子検査により先天性QT延長症候群の診断がおりた娘の治療や生活について載せています。 致死性不整脈の1つ、突然死の原因となる【先天性QT延長症候群】。 厚生労働省の難病指定から外れましたが、完治することのない病気です。 5歳から始めたバトントワーリングというスポーツでは、選手として活動してきました。 治療により体調や日々の生活に大きな影響があります。 それでも毎日を元気に生きています。

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