ICU入院、マグネシウムとカリウム
胸骨圧迫、アダムス・ストークス発作からの意識回復により、ICUに入院した娘。
ICUへの入院は、主治医ではなく救急救命の医師が処置を決める。
緊急時に備えた書類を何枚も見せられ、万が一を想像する内容に不安を感じながらも説明を受け署名をする。
その中で医師より「マグネシウムを点滴でいれます。」と言われ、マグネシウムの値を聞いて「むむむ・・・」となった。
予備知識として私が知っていたのは
1)マグネシウムはAEDで蘇生しない時やTdpや心室細動が頻回に生じている時に用いる。
2)低カリウム血症は徐脈による不整脈を、高カリウム血症は頻脈による不整脈を招く。
3)LQT2はカリウムの血中濃度を正常範囲の高値に保つことが有効。
ということ。
娘は薬と一緒にいつもカリウムのサプリメントを飲んでいた。
しかしこの日は薬を飲み忘れていたため朝は飲んでおらず、夕方も薬だけしか飲んでいない。
食事もあり合わせのものなので、野菜や果物の摂取量はいつもより少なく、カリウム摂取量は当然少ないはず。
そこで、医師にカリウムも入れてほしいことをお願いしてみる。
救急救命医師X「カリウムの値も確認して、必要ならカリウムも入れます。」
しばらく待っていると、カリウムの値が正常範囲内ながらも少ない、ということで、点滴に混ぜて少しずつカリウムを入れることにした、という説明を受ける。
(カリウムを急速静注すると重篤な不整脈や心停止が起きるので、カリウムを投与する際は必ず点滴静脈内注射であることを確認しましょう)
娘の顔を見てからICUを出てファミレスで遅い夕飯を食べながらマグネシウムの値を考えると「マグネシウムを入れる」ことに納得がいかず、「マグネシウムはやめてもらえないか」と病院に電話。
救急救命担当医師
「お母さんのおっしゃる通り、マグネシウムはやめてカリウムだけにしました」
ほっとして家路についた。
ICUのベッドの上にいた娘は、意識喪失の後の頭痛を訴えるどころか、
「頭痛も何もないよ~。良い感じ~!それより臨死体験した!」
と、いつも通りの元気な笑顔で、かなり興奮気味に話していた。
娘がいない家に帰りつくと急に現実に戻り、数時間前の出来事が脳裏を過っては怖くなった。
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