パラリンピックと一年半振りの発作 3


最後に。

パラリンピックでの演技披露は出来なかったけれど、娘は文化祭の舞台で、一人でバトン演技をします。演目は、U15の時に全国大会で入賞したボンドガール。衣装がもう手元にない!ということで、体育着で踊るボンドガール・・・(笑)

演劇部の部長でもある娘は、クラスの劇もほんのりしきっている模様・・・(笑)

発作が起きたのは、クラスの劇の練習の時。

午後、職場で仕事中にプライベートのスマホが鳴り、出ると娘の震えた声。声色ですぐに「発作」だと分かりました。

「今日はパラリンピック開会式だしね。複雑な思いはあるよね」と受け止めつつ、「朝も薬を飲んでいったのにね。まぁ、夜の薬を飲み忘れたり、夏だからイオンバランスが崩れる時期だし、いろんなことが重なり過ぎたんだろうね。帰りは迎えに行くよ。」と話したら、電話口で落ち着きを取り戻してくれていました。

車の中で、状況を話してくれた娘。

劇の練習を椅子に座って見ていて、舞台監督よろしく、立ち上がって演技の助言をしていたらめまいがして、「あ、これやばい!頭うったらめちゃいたい!」と椅子に座って頭を下げた瞬間から意識がなく、目が覚めたら左腕が痛くて、「あぁ、これ、発作起こした」と自覚したそうです。隣に座っていた友人曰く、おふざけでもたれかかってる時間にしては長いなぁと思ったら、体がビクン!と動いた、とのこと。

合併症である起立性調整障害に、今日と言う日への複雑な思いに朝から交感神経緊張も続いていたのでしょう。そこに来ての動作によって起立性低血圧が引き起こされ、そして何故かTdp、ICD作動ですね。過去にも急に立ち上がって発作が起きているのですが、自分で動き方には気を付けないと、ですかね。

とはいえ、何、嘆くことなかれ。

娘は、自分の中にある様々な考えや感情、苦悩を簡単に言葉にはしない分、自分の中で丁寧に咀嚼し、自分にできることをきちんと見つけ出せる人。片付けできなかったり、物忘れが激しかったりもするけれど・・・(笑)

難病もデバイスも、片付けできないのも物忘れが激しいのも、いろんな角度からいろんな人の気持ちを推し量ることができるのも、自分の苦悩や葛藤を顔に出さないのも、それ全部が娘の構成要素の一つ。

やっぱり、うちの娘、すごいなぁ~(ただの親バカ・笑)

でもね、やっぱりね、パラリンピックなんだから、「デバイスによる内部障害のある人は参加・出演できない」って決まりを作らない限り、通信機器がとんでもない台数あるとしても、安全性を担保して開催することが先。「配慮」という優しそうな言葉で、障害のある娘を「排除」しちゃいけなかったと思います。

QT延長症候群2型の娘のこと

13歳にて遺伝子検査により先天性QT延長症候群の診断がおりた娘の治療や生活について載せています。 致死性不整脈の1つ、突然死の原因となる【先天性QT延長症候群】。 厚生労働省の難病指定から外れましたが、完治することのない病気です。 5歳から始めたバトントワーリングというスポーツでは、選手として活動してきました。 治療により体調や日々の生活に大きな影響があります。 それでも毎日を元気に生きています。

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